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相方2 [創作]

暑い!
兄妹喧嘩も熱い!

「●●(兄の名前)なんて、顔、アンパンマンのくせに!」

罵詈雑言?ですか?アンパンマンに失礼じゃないですか?

兄の顔がアンパンマンに見えてきました。。。これからは私も彼をアンパンマンと呼ばせてもらいます♪


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前回の話



久々にコースケと会うことになった。
お互いに忙しくなり、なかなか会う機会がなかったが、俺から連絡をとり、コースケが最近オープンさせた店で会うことになった。
もう、夜の1時をまわっているが、特別に店を開けておくとのことだった。


お好み焼き屋というよりは、ダイニングバーのような小洒落た店のドアを開けると、「いらっしゃいませ」と出迎えたのはオーナー自身だった。服装は一般従業員のユニフォーム姿だったが。
従業員はもう帰したあとだった。

「遅い時間に悪いな」

「俺もこんな時間しか約束でけへんからな。お互い様や」

コースケはちっとも変ってない。鉄板を温めながら、まずビールか?と聞いた。

「そやな、豚玉とな」

「生ひとつ、豚玉ひとつ入ります」
誰もいない厨房に向かって叫ぶ。

コースケがお好み焼きを焼いてくれている間に、俺は生のジョッキを2杯あけた。
ビールの勢いで聞いてみる。何気ないふりを装いつつ。

「ションコから聞いてんけど、お前ら結婚すんの?」

「あいつ、もう言うたんか?どんな風に言うてたん?」

「何かの賞をもろたら漫才やめて結婚してカリスマ主婦かなんかになる言うてたで」

「そうかあ。
お前、俺ら幼馴染やったん知ってる?」

「小学校から一緒やったんは知ってるで」

「ガキの頃から結婚しよ言うたり、大喧嘩して大嫌い言うたりしながらずっとおってん。もちろん大人になってからはそんなことはないけどな」

「そやけど、最近ちゃんとプロポーズしてんやろ?」

「プロポーズなんかなぁ。俺からか?
賞もろたら、もう未練ないやろぐらいは言うたかもしれへんけど。
そのとき、あいつ、やめたら結婚せなカッコつけへんみたいなこと言うたから、そやなぁぐらいは言うたかも」

「そやなぁがよっぽどうれしかったんやなぁ。
コースケ、ごめんな」

「何がや」

「俺がションコと漫才組んで寂しい思いさせてたんやろ」

「そんなことない。そんなことないで。
けど、悔しかったわ。俺がべんたろーと組みたかったんや。お前は最初から光ってたからな。何でションコなんかと組むんや思うて学校恨んだわ。
高校のときにな、ションコにお笑いしよ言われたとき、しばらくやってみて、ダメやっても最終的には俺の家の仕事したらええし、その時はションコも一緒に店したらええわ思うてた。昔から家族のことも全部知ってるやろ。お笑いで食べて行かれへんかっても、ええ思い出二人で作れたらそれでええと思うてた、お前と会うまではな。
でも、養成所でお前の姿見て、こいつは絶対モノになりよるでと思うた。一緒にやってみたい思うた。
でもな、学校も見てたんや。みんな必死になって、ネタ考えたり、アピールする方法見つけよう思うてるのに、俺は腰掛け的に見えたんやろ。ションコもずっと必死やったからな。ションコがお前と組む言うたとき、ションコに嫉妬したんや。
見返したろ思うて、一人で頑張ってみたけど、無理やったな。
お前な、ずっとションコと一緒ではダメやで。もっと上に行けるわ。ある程度、顔売ったら一人でやっていった方がええ。
でも、ションコも今のままやったら、踏ん切りつけへんやんか。お前とは格が違ういうことに気ぃつかさなあかんねん。自分のおかげで売れ始めてるみたいな勘違いしてるところあるわ」



そんなこと言われても。
俺はコースケの予想もしない話の展開に口をはさむこともできず、もくもくと豚玉を食べた。

「そういうことで、もうしばらくションコを頼むわ」

「ションコはええ女やで。大事にしたれ」

「そやろ、ほんまにな。小さい頃からほっとかれへん奴やねん。かわいいやろ。
お前、手ぇ出すなよ。お前はもっとランク高いの狙え。成功してからやったら何ぼでもチャンスがあるからな。
俺はションコしかおらへんもんなぁ。ションコ、ほんまにかわいいなぁ」

「もうええわ」

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「ええ話やろ?」


「誰がべんたろーやね。俺はけんたろーじゃ。いつから俺ら漫才師やねん」

「まぁ、ええやん。コースケどう?」

「俺らつき合ってないし。幼馴染も違うし。ションコとかべんたろーとかいったい何やねん。お前シホコやん。何、三角関係の中心になってんねん」

「今も三角関係みたいなもんやん」

「違うから。三角も四角も何の関係もないから。
コースケ、オーナーやったらバイト料あげてえな」

「オーナーちゃう。つーか、あほなことしてんと、はよ帰ってレポート書かなあかん。明日、提出期限やん。
ほな、さいなら」

「おいおい、ションコと二人きりにすんなや」

THE END
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kyao

わはは。なるほど、そうきたか(笑)。まさか最後で二段オチになっているとは思いませんでした。(^^)
でも、ショートショートですらすら読めて面白かったです。私も久しぶりに新作に挑戦しようかなあと言う気になりました(笑)。(^^)
りんたろさん、楽しい作品をどうもありがとうございました。(^^)/
by kyao (2009-06-21 19:07) 

りんたろ

ありがとうございます♪
kyaoさんの作品、読んでみたいな!
楽しみにしていますね♪
いろんなことがあるけれど、笑い飛ばしていきましょう♪

by りんたろ (2009-06-25 20:34) 

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